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東京高等裁判所 昭和35年(行ナ)12号 判決

原告 株式会社 本高砂屋

被告 特許庁長官

主文

原告の請求を棄却する。

訴訟費用は原告の負担とする。

事実

第一請求の趣旨および原因

原告訴訟代理人は、特許庁が昭和三十一年抗告審判第一、一二八号事件について昭和三十五年二月十一日にした審決を取り消す、訴訟費用は被告の負担とする、との判決を求め、請求の原因として、また被告の主張に答えて、次のとおり述べた。

一、訴外杉田政一は、昭和二十六年二月十日、別紙表示のとおり、三本の松葉をもつて円形とし、その中に篆書風に、右に高砂、左に屋の文字を二行に記した図形および文字より成る商標につき、第四十三類干菓子、蒸菓子、掛ケ物其他菓子及麺麭類一切を指定商品として登録出願(昭和二十六年商標登録願第三、〇六四号)をし、昭和二十九年一月六日にこれを登録第二七〇、四八七号、第三三〇、一四九号、第三三〇、一五三号及び商標登録願昭和二十五年第二三、一七八号、昭和二十六年第三、〇六五号と連合の商標登録出願に変更、また同年三月三日に指定商品を第四十三類菓子類と訂正したところ、同年三月二十日に出願公告の決定があつたが、同年九月四日に訴外有限会社高砂屋より登録異議の申立があり、また、昭和三十年十月一日、原告は杉田政一から本件商標出願に基く権利を譲り受け、同年十二月十日に出願名義変更の届出を了した。しかるところ、昭和三十一年四月三十日、特許庁は右登録異議につきその申立は理由あるものとする旨の決定をするとともに、同日原告の前記出願につき拒絶査定をした。そこで、原告は同年五月三十一日、これに不服の抗告審判(同年抗告審判第一、一二八号)を請求したが、特許庁は、昭和三十五年二月十一日、本件抗告審判の請求は成り立たない、との審決をし、原告は同年同月二十日に右審決書謄本の送達を受けた。而うして、右審決の理由の要旨は、前記登録異議申立人の商号である「有限会社高砂屋」は、取引上「有限会社」の部分を省略して単に「高砂屋」と称呼されるものであること経験則に照らし明らかなところであり、これに対し本願商標はその構成中高砂屋の文字を顕著に表わしているから、商標法(昭和三十四年法律第一二八号により廃止された大正十年法律第九十九号、以下旧商標法とよぶ。)第二条第一項第五号にいわゆる他人の商号たる「高砂屋」の文字を有し、しかもその承諾を得ないものと認めざるを得ない、というにある。

二、しかし、右審決は次の理由により違法のものであつて、取消をまぬかれない。

(一)  原告前主杉田政一は、本願商標と同一の文字、図形より成る登録第二三六、六九二号(昭和七年九月十日登録、昭和二十七年三月十九日更新登録)の商標権を有し、現在原告会社名義に権利移転の登録手続中であるが、右登録商標と本願商標とは、その有する文字、図形は全然同一であり、異なるところは、ただ、右登録商標には「高砂屋」の文字について権利を要求せず。との附記がある点のみであつて、全体として本願商標と同一の商標を原告において使用することは、昭和七年九月十日右商標登録以来当然の権利である。しかるに前記有限会社高砂屋の設立は、これよりはるかおくれた昭和十八年八月三日であるから、本願商標がたとえその商号と牴触しても、これに優先することは当然の帰結であると考える。

(二)  さらにまた、本件出願商標は、登録第二七〇、四八七号ほか四件の商標と連合の商標として登録出願をされたものであること、すでに主張したとおりであるが、これらの商標はいずれも本願商標の文字、図形全体を含んだものであり、したがつて本件登録出願につき有限会社高砂屋の承諾を要しないはずである。この点について、本件審決は、たとえ既登録商標と連合商標であるとしても本件商標の登録出願前から登録異議申立人の会社が存続する以上旧商標法第二条第一項第五号の適用を免がれないものであること明らかである、と説示しているが、これは法律の解釈を誤つたものである。いわんや、さきに主張したとおり同会社の設立以前から本願商標と全然同一の文字図形を有する登録第二三六、六九二号商標の存在あるにおいておやである。そして、本願商標と連合の関係にありとされるこれら商標中、登録第二七〇、四八七号、第三三〇、一四九号、第三三〇、一五三号の各商標も亦、有限会社高砂屋設立以前に登録されたものである。かような場合既存の商標の連合商標を出願するのに、一々後に設立された会社の同意を要するとするのは、いかにも不合理であり、既存商標の商標権者は当然連合商標を出願したり、あるいは更新登録の出願をする権利があるとするのが法律常識であると考える。換言すれば、旧商標法第二条第一項第五号は不正競争防止を目的とする規定であるから、不正の目的のないこと明らかな(原告の商標と有限会社高砂屋の商号とが共存併立していた時代が相当長期間にわたつていたのであるから)本件のような場合には、その適用がないことは当然といえるであろう。

(三)  しかのみならず、本件商標に対する登録異議申立人たる有限会社高砂屋は昭和二十四年以降において営業を廃止し、現在は登記簿上存在するのみで事実上存在しないものであり、本件商標登録につき異議を申し立つべき何らの利害関係のないものである。かゝる利害関係のないものの申し立てた異議を理由ありとし、本件出願を拒否した審決はこの点においても違法であるといわなくてはならない。

三、なお原告主張の登録第二三六、六九二号の商標権が、昭和二十八年三月十五日に権利を放棄したとの事由で被告主張のとおり抹消登録になつている事実は認める。原告はこの事実を知らず、なお右権利が存在するものと信じて昭和三十五年三月三十一日原告名義に移転登録申請手続に及んだのであるが、現在右権利が消滅しているとしても、本件商標登録出願をした昭和二十六年二月十日当時にはなお存在していたのであるから、これに対する登録異議の理由の当否については、当時の権利状態を無視することはできない、と考える。

被告は、また、仮に右商標権が存続していても「高砂屋」の文字については特別顕著性がないとして権利を要求しないことになつているので、本願商標とは大差があるというが、それは権利の内容の差異であつて、商標全体の構成としては同一であり、本件出願は審査の段階において該商標の永年使用による顕著性を認められて公告を決定されたものである。当時原告がすでに高砂屋の文字商標を有していた事実には相違がなく、それが「高砂屋」の文字のみを分離しては専用権がないとしても、他の部分と併用すれば専用権があること当然であるから、有限会社高砂屋は右既存の商標中高砂屋の文字の使用については当然忍容の義務あるものというべく、本件登録出願について、さらにその承諾を必要とする理由はない。いわんや当時原告は右のほか第二七〇、四八七号、第三三〇、一四九号、第三三〇、一五三号等の各連合商標を有し、これらはいずれも本願商標の図形、文字の全部を包含するにおいておやである。

なお、右各連合商標中、登録第二七〇、四八七号は昭和十年一月五日登録、第三三〇、一四九号及び第三三〇、一五三号は昭和十五年五月二日登録、商標登録願昭和二十五年第二三、一七八号、昭和二十六年第三、〇六五号は登録異議により失効した。

第二答弁

被告指定代理人は主文通りの判決を求め、次のとおり答弁した。

一、原告主張事実中、その主張の商標登録出願から本件抗告審判の審決書謄本送達にいたるまで、特許庁において行われた手続の点については、争わない。

二、原告が本件審決の違法であると主張する点について、まず原告主張の登録第二三六、六九二号商標は、昭和二十八年三月十五日をもつて権利を放棄し、同年四月六日にその抹消登録がなされたものであるが、仮にそれが存続していても、「高砂屋」の文字について権利を要求していないことは、旧商標法第一条第二項に規定するいわゆる特別顕著性の要件を具備していないものであり、その部分については他人の使用を排除し得ないものであつて、これをなさざる本願商標とは重大なる差異を有するものであるし、また、本願商標は登録第三三〇、一四九号ほか一件(原告主張の既登録の商標中、登録第二七〇、四八七号は昭和三十年十一月五日期間満了により権利が消滅し、昭和三十三年十月十日その抹消登録がなされている。)の登録商標と連合の商標として登録出願をされたものであつても、新規の出願と認められるものであるから、他に「有限会社高砂屋」という商号のもとに同じ菓子およびパンの類を製造販売することを営業目的とする会社が昭和十八年八月三日に設立されており、しかもその会社が経験則上取引において「有限会社」の部分を省略して単に「高砂屋」と呼ばれる場合がきわめて多いものと認めざるを得ない以上、同会社の承諾を要すると認定した本件審決には、何らの違法性がない。(なお、有限会社高砂屋が昭和十八年八月三日に設立登記されたものであるということは争わない。)

また、原告は有限会社高砂屋は登記簿上存在するだけで、数年前より事実上営業をしていないと主張しているが、この点について原告が証拠として援用する登記簿には、解散、清算等同会社が存続していないと認むべき記載は一切なく、これによつても同会社が現在廃業状態にあるということを認めることができない。

三、原告は異議申立人の会社設立以前から「高砂屋」の文字を含む登録商標を多数有していたから異議申立人には異議申立の権利がない、と主張するが、たとえ本願商標がこれらの各登録商標と連合商標として登録出願をされたものであつても、本件自体は新規の出願と認められるものであるから、これに対し新たに審査することになんらの妨げはないところであり、本願につき旧商標法第二条第一項第五号の適用ありとした本件審決には違法の点が存しない。

また、原告主張の登録第二三六、六九二号の商標については「高砂屋」の文字自体について権利を要求していないから、たとえ他の部分と併用して原告において右商標の専用権を有していたとしても、「高砂屋」の文字自体については他人の使用を排除し得ないものであること、明らかであつて、原告と同一地域である神戸市において菓子の製造、販売を営む有限会社高砂屋が本願商標の登録につき異議を申し立てることは、当然認められてしかるべきである。なお原告主張のその他の登録商標中、第二七〇、四八七号には「高砂屋」の文字について権利を要求せずとの記載がないが、この種商標について同種の文字については権利を要求せずとさせるのが審査の原則であり、右商標についてのみ当時の審査官がそのことを忘却したものと考えられる。

さらに、原告は本願商標は審査の段階において永年使用による特別顕著性を認められたというが、本願商標は最終的には審査の段階でも旧商標法第二条第一項第五号に該当すると認められて登録を拒絶されたものであつて、審査の段階においても永年使用による特別顕著性を認められたものということができない。

第三、証拠〈省略〉

理由

一、別紙表示のとおり、三本の松葉をもつて円形とし、その中に篆書風に右に高砂、左に屋の文字を二行に記載して成る商標について、原告主張の商標登録出願(昭和二十六年商標登録願第三、〇六四号)から、有限会社高砂屋の登録異議申立その他の経過をへて、昭和三十一年四月三十日右出願につき拒絶査定があり、原告はこれに不服の抗告審判(昭和三十一年抗告審判第一、一二八号)を提起したところ、昭和三十五年二月十一日に、本件抗告審判の請求は成り立たない、との審決があり、同月二十日右審決書謄本が原告に送達されるまでの原告主張事実については、当事者間に争がなく、右審決の理由の要旨が、前記登録異議申立人の商号である「有限会社高砂屋」は、取引上「有限会社」の部分を省略して単に「高砂屋」と称呼されるものであることは経験則に照らし明らかなところであり、これに対し本願商標はその構成中「高砂屋」の文字を顕著に表わしているから、旧商標法第二条第一項第五号にいわゆる他人の商号たる「高砂屋」の文字を有し、しかもその承諾を得ないものと認めざるを得ない、というにあることは、被告において明らかに争わないところである。

二、原告は、本願商標についての原告の前主杉田政一は本願商標と同一の図形および文字より成る商標につき登録第二三六、六九二号の商標権を有し、また本願商標がこれと連合の商標であるとして登録出願された登録第二七〇、四八七号、第三三〇、一四九号、第三三〇、一五三号ほか登録出願中の二件の各商標はいずれも本願商標の文字、図形全体を含んでいるものであつて、これらの商標中既登録のものはすべて右登録異議申立人たる有限会社高砂屋の設立に先だつて登録されたものであるから、原告が本願商標を使用する権利は同会社に優先するものであり、本件登録出願につき同会社の承諾を必要とする理由はない、と主張するので、まずこの点について判断する。

本件登録異議申立人の有限会社高砂屋設立の日が昭和十八年八月三日であることは、当事者間に争がなく、また原告前主杉田政一が本願商標と同一の図形および文字より成る商標につき昭和七年九月十日登録、昭和二十七年三月十九日更新登録にかゝる登録第二三六、六九二号の権利を有していたこと、かつ本願商標がこれと連合の関係にあるとして登録を出願されている商標中、登録第二七〇、四八七号は昭和十年十一月五日に登録され、登録第三三〇、一四九号および第三三〇、一五三号は昭和十五年五月二日に登録されているものであり、これらはいずれも本願商標の文字、図形の全体を含んでいることは、被告の明らかに争わないところである。(もつとも、右各登録商標中登録第二三六、六九二号は昭和二十八年三月十五日をもつて権利を放棄したとして、同年四月六日にその抹消登録がなされていることにつき当事者間に争がなく、登録第二七〇、四八七号が昭和三十年十一月五日期間満了により権利が消滅したとして昭和三十三年十月十日その抹消登録がなされたことは、成立に争のない乙第二号証によつて、明らかである。)

ところで、旧商標法第二条第一項第五号によれば、他人の商号を有する商標はその他人の承諾を得たものでなければ、登録できないことになつているが、その規定の趣旨は、他人の商品と誤認混同を招くことによる不正競争を防止するというよりも、右商号に対する商号権者個人の法益を保護することにあると解することが、その他人の承諾がある場合を禁止から除外したことから考えても相当である。(昭和十七年六月十九日大審院判決集二一巻六九九頁以下参照)本件商標の構成中、「高砂屋」の文字を含むこと、前記のとおりであるところ、その登録出願当時「有限会社高砂屋」の商号を有する異議申立人が存在し、該商号中「有限会社」の部分は有限会社法第三条によつて会社の種類を示すため法規上当然用いることを要求されている文字であつて、商号のもつ自他識別の機能上その程度の意義を有するに過ぎないから、取引上これを省略して単に「高砂屋」と呼称せられることが多いであろうことは、経験則に徴し推測するに難くないので、本願商標は他人の商号を有するものであつて、前記規定によりその他人の承諾があるのでなければ、登録することができないものといわなくてはならない。

原告は、登録異議申立人の右会社設立以前から原告前主は「高砂屋」の文字を含む各登録商標を有していたから、原告がその文字を含む商標を使用することは、右会社の商号権に優先する権利であるかのごとく主張するが、「高砂屋」の文字を含む前記各登録商標の登録の当時にはこれと同一の商号を有する右会社は存在しなかつたものであるから、右各商標の登録は許されたものであり、したがつて原告前主がこれらの登録商標の専用権を有していたことは、当然である。しかし、そうかといつて、原告が新たに同種の商標の登録出願をするについて、当該商号権者の承諾を要しないとすることは、その承諾の必要を定めた前記規定の趣旨にかんがみて、相当でない。ことに原告前主の有した各登録商標中登録第二三六、六九二号、第二七〇、四七八号の各権利がすでに消滅している点はしばらくおくとしても、第二三六、六九二号の登録商標には「高砂屋」の文字について権利を要求せず、との附記があること、原告の自認するところであり、第三三〇、一四九号、第三三〇、一五三号の各登録商標にも同趣旨の記載があること、成立に争のない甲第一一、第一二号証および弁論の全趣旨に徴して明白であるので、その申出のない本願商標との間に、原告がこれらの商標を使用することを忍容することについての前記商号権者の利益において大きな差異があるというべく、また登録第三七〇、四八七号の商標については、なんらそのような記載のないことは、被告も争わないところであるが、これとても商号権者が既登録の商標の使用を忍容することと、新たに商標の登録を承諾することとは、その利益を保護すべきことの必要性において、同一に論ずることはできないであろう。原告は、本件商標を使用することは、原告のすでに有する権利であり、本件出願の公告が決定されたこともその永年使用による特別顕著性を認められたものにほかならない、というが、原告が既登録の商標を使用する権利があつたにせよ、新たに他人の商号を含む商標の登録出願をするについてはその他人の承諾を要すると解すべきこと、前にみたとおりであり、そのことがその商標が特別顕著性を有するか否かとの点とはなんら関連するところのないことは、多くいうまでもない。本願商標と同一の図形および文字を含む商標が相当長期間にわたり本件登録異議申立人の商号と併存して使用されてきているので、その各使用者の商品につき取引上誤認混同のおそれがないということも、前記規定の趣旨が不正競争防止にあるというよりも、商号権者の私益の保護にあると解すべきこと、前記のとおりであるから、これ亦本件登録につき異議申立人の承諾を必要としないと解すべき理由とするには足りないであろう。

原告はさらに本件商標が前記登録第二七〇、四八七号、第三三〇、一四九号、第三三〇、一五三号の商標等と連合の商標として出願されたことをもつて、その登録につき登録異議申立人の承諾を要しないことの理由として主張するが、旧商標法第三条による連合商標の登録出願は、同一商品に使用すべき自己の商標であつて類似するもの、または類似の商品に使用すべき自己の商標であつて同一もしくは類似するものは、連合商標として出願した場合にかぎり、既登録の自己の商標の存在にかかわらず、その登録が許されるというにとどまり、その他の登録要件については一般の登録出願となんら異なるところがないから、他人の商号を有する場合にその他人の承諾を必要とすべきことに関しても、新規の登録出願と区別すべきところはないといわなくてはならない。

以上の各説示に反する原告の見解は採用することができない。

三、原告は、また、本件登録異議申立人たる有限会社高砂屋は事実上営業を廃止し、右異議を申し立てるについてなんらの利害関係がない、と主張する。しかし、商標登録に対する異議の制度は、商標登録に関する公衆審査の見地に出たものであつて、これを申し立つべきものの資格についてはなんらの要件を設けず、何人でもこれを申し立てることを得べきことは、旧商標法第二四条の準用する旧特許法(昭和三十四年法律第一二二号によつて廃止された大正十年法律第九六号特許法をいう。)第七四条第一項に「何人ト雖」と明記されていることをみても明らかであつて、旧商標法第二二条第一項各号の審判の請求人は利害関係人および審査官(同項第一、二号の審判について)または利害関係人に限り(同項第三号の審判について)請求することができる。とされている(同条第二、三項)場合とは趣きを異にするから、前記会社の商号登記が抹消せられずに存続すること、成立に争のない乙第三号証、甲第一二号証に徴して明白であつて、同会社がなお存続するものと推定せられる以上、同会社が本件登録異議申立につき利害関係を有するか否かを審究するまでもなく、同会社の承諾を得ないこと、弁論の全趣旨により明らかな本件登録出願の拒絶せらるべきことは当然であるといわなくてはならない。

四、原告の本件登録出願を旧商標法第二条第一項第五号によつて拒絶すべきものとした本件審決は相当であつて、これを取り消すべきなんらの違法の点を見出すことができない。よつて、原告の請求を棄却すべきものとし、訴訟費用の負担につき行政事件訴訟特例法第一条、民事訴訟法第八九条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判官 内田護文 鈴木禎次郎 入山実)

本件出願商標〈省略〉

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